筋量は20歳をピークに、加齢にともなって落ちていきます。
落ちるペースは緩やかですが、50歳頃からは急激にダウンし、1年に1%くらい減少するといわれています。
つまり10年で10%の減少です。その中でも著しく減っていくのが、脚やおしり、おなかです。
普通の生活をしているだけだと、確実に筋肉は衰え、基礎代謝も低下、太りやすく痩せにくい身体になっていきます。避けられない現実ですね。
特に、下半身のトレーニングが必要な理由として、
人間の身体の半分以上の筋肉が下半身にあるということ。下半身の方が筋肉量も消費カロリーも多いのです。太ももまわりの筋肉です。
運動不足や加齢で顕著に筋力が低下していくのが下半身です。
そんな下半身のトレーニングとして、いちばんイメージしやすいのがスクワットですね。
1.スクワットの効果
スクワットは、単に膝を曲げ伸ばしして太ももを鍛える筋トレではありません。
深くしゃがむことで大臀筋がストレッチされヒップアップ効果。
膝が内側に入らないように保持することで、内腿のトレーニングになり脚痩せ効果。 そして、正しいフォームを守ることで、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋、腹筋…など、まんべんなく鍛えることができます。
スクワットの動作中に左右にぐらぐらしないためには中臀筋も作用します。
ひとつの動作で複数の関節や筋肉を鍛えることができ、大臀筋や脊柱起立筋など姿勢をつくる筋肉が鍛えられることで腰痛予防にもなります。
筋トレであるスクワットは、筋力アップ、柔軟性アップだけでなく、ダイエット、基礎代謝アップ、老化防止だけでなく、重心を捉える、自分の身体を自分でコントロールする、バランス感覚やパフォーマンスの向上など全身の運動機能の向上に効果的です。
2.スクワットの正しいやり方
スクワットの足幅を変えることで、バリエーションは広がりますが、私はまず「骨盤と同じくらいの幅で」と声かけします。
かかとをしっかり接地させ、足裏全体に体重をかけます。
上体の姿勢は「胸を広く」となるように。
私は「デコルテが常に鏡に映るように意識して」と声かけします。
⇒デコルテとは、首から胸元の部分を指します。
「気をつけ」は、 胸郭、股関節、ひざ、足首までが一直線にピーンと張った状態です。
「スクワット」の動作は、 その直立した状態から骨盤のロックがはずれて、股関節が屈曲することで背中にアーチができ骨盤は前傾します。
身体が前に倒れるわけではありませんし、おしりをうしろにひくのでもありません。 ひざを曲げる、前に出すなどの意識はなく、自然にしゃがみこみます。
肩にかついだバーベルと床に挟まれて、バーベルの重さで折り畳まれていくようなイメージです。その動作の結果として、骨盤は前傾し、膝は曲がっていきます。
肩にかついだバーベルは前後にぐらぐらしません。
しゃがむ、負荷をおろす高さは、あくまでも姿勢保持できるところまででよいと思います。
立ち上がり動作に切り替える瞬間、かかとで地面を蹴り、骨盤が立ちあがります。
負荷が重い場合は爆発的に。
自重スクワットなら、足裏全体で床を押すように立ち上がります。
自重や軽いウェイトを扱っているうちは、立ち上がりの際に肩から先にあがったり、胸からあがるような動きになりがちですが、 足裏全体で床を押すことに集中します。
3.スクワットで気をつけること
1.目線
大切なのは上体の姿勢をキープすることです。
目線をおとすと身体の反応として背中は丸まろうとします。
動作中はしっかり前方をみます。
しゃがむ動作では、脊柱起立筋とアゴは連携するので、自然とアゴがあがるのはOKです。
2.重心
おしりを突き出す、あるいは、椅子に腰掛けるように…という意識があると重心がかかとだけに移ります。
かかとをしっかり接地し、足裏全体に体重をかけます。
重心は上体で変えようとせず、足首でコントロールします。
足首の柔軟性も必要ですね。
3.膝の動き
つま先を膝より前に出さない。など、膝の動きに意識を向けることは不要です。
膝の位置や動かし方などばかりに意識を向けてしまうと、腰が落ち、背中のアーチがゆるんだ、いわゆるへっぴり腰になります。
膝が前後に動くことで、骨盤前傾がキープできないだけでなく、大きな負荷がかかることで膝を痛めてしまいます。
正しく行えば膝には負担はかかりません。
4.姿勢保持
腰が無理な反り方や不自然なアーチを防ぐためには腹圧を抜かない、つまり、しゃがみこむ、立ち上がるなどの動作では息を吸って止めた状態です。
息を吐いてしまうと腹圧は抜けてしまいますね。
スクワットをするときは全身運動として、そして腰を守るために腹圧をかけます。
高重量を扱うときはトレーニングベルトを使用すると、より安全です。
※自重スクワットやスロートレーニングでのスクワットでは呼吸連鎖が伴ってもかまいません。
スクワットは負荷の調整がしやすく、腕を胸の前で組む、頭上にあげるだけでも負荷を変えることができ、メニューバリエーションも豊富です。
やみくもにただ高回数をくりかえすことよりもまずは正しいフォームを身体にクセづけましょう。
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