トレーニング種目の中で、もっとも人気の高いのがベンチプレス。
大胸筋を鍛えるメジャーな種目です。
胸のハリ、バストアップ、そして、ムダな脂肪のないきれいなデコルテ…
ウェイトトレーニングをしない女性にも気になるワードですね。
デコルテにハリがないと老けて見えますし鎖骨が埋まってるのも残念。
また、ベンチプレスは猫背の改善にも効果的です。
つまり、効果のあるベンチプレスのフォームができているか、は、日頃の後ろ姿(背中)をみればわかります。
ベンチプレスはメジャーな種目であり、またケガの多い種目でもあります。
重さを増やすことにこだわらないで、ケガのリスクの少ない正確なフォームをカラダに叩き込むこと。
安全であることが大切です。
ベンチプレスには、フラット、インクライン、デクラインがあり、これはベンチの角度です。
今回はフラットベンチプレスについてです。
ベンチプレスを理解して、イメージする
ベンチプレスは大胸筋のトレーニングではありますが、その動作には、手首、肘、肩、そして、鎖骨、肩甲骨も関与しています。
ベンチプレスだけでなくダンベルやバーベルでのフリーウェイトは、1回1回の軌道を安定させるため、フォームを崩さないために全身の多くの神経や筋肉が総動員で使われます。
我流でベンチプレスに取り組んでいる人に多くみられるような、肩や腕の筋肉に頼るフォームではウェイトはあがりませんから、重さを増やすことにこだわらないで、とにかくまずは正確なフォームを身につけることが大切です。
正確なフォームができないままでは、疲れてくるとターゲットの筋肉から無意識に負荷を逃してしまい(軌道がズレる、フォームが崩れるなど)効果が下がるだけでなく、思わぬケガのリスクも高まります。
ベンチの接地面をぶれないように安定させる。胸のトレーニングですが、足を踏ん張る、腰で支える…など、全身をフルに連動させる必要があります。
ベンチプレスはベンチの角度を、フラット、インクライン、デクラインと使い分けて、大胸筋の上部、中部、下部のトレーニングをします。
大胸筋は上腕骨から体の中心に向かって広がる面積の広い筋肉で、腕を動かす動作のすべてに関わる筋肉です。
筋肉のつき方、動き方、筋繊維の動く方向、そして大胸筋の収縮、伸展をイメージしながら動作します
上腕骨は肩関節で肩甲骨につながっていますから肩甲骨をしっかり固定することが大切ですね。
ターゲットは大胸筋、上腕三頭筋ですが、感覚的には上腕三頭筋で重さを受けると大胸筋がしっかり伸展する感覚がつかめると思います。
1.グリップ
ベンチに寝たら、まずはグリップをキメます。
負荷は拇指球で受けることを意識して、手首を曲げすぎることでへんな負担がかかりすぎないよう気をつけます。
バーを強く握るのではなく、拇指球に重さを乗せることが大切です。
バーを強く握りしめすぎることで腕に力が入りすぎると、軌道が流れてしまう原因のひとつになります。
グリップの位置を決めたら、もう手を離したりゆるめたりしてはいけません。
ベンチとバーの間に挟まれてテンションをピーンと張った状態を維持します。
2.ブリッジ
ただ肩甲骨を寄せるだけではフォームはキマりません。肩甲骨を下半身の方向におろす。そして寄せる。きっちり、おろす・寄せることでベンチに肩甲骨を『固定』します。
固定することで、ブリッジの橋脚の片方がきまります。
もう片方の橋脚は、脚の踏ん張り。
骨盤を押し上げるようにしっかり床を踏ん張ることで、ブリッジ完成です。
肋骨の下部が盛り上がっていればブリッジ完成。
グリップ同様、ここでも脚の踏ん張りをゆるめたり、足の位置を変えたりしてはいけません。
固定された肩甲骨と踏ん張ってる脚が橋脚、腰の部分が橋梁(アーチ)です。
足の踏ん張りはとても大切で、投げ出した状態ではブリッジが不安定になり、高重量は支えられません。
足は投げ出さず頭の方に引き、ブリッジに適度なアーチが作れ、固定できるところをみつけます。
ベンチプレス動作中も足の位置は動かしません。
バーを持つグリップを離したりゆるめたり、また、脚の踏ん張りをゆるめたりしないこと。
アーチを動かさないこと。また、ウェイトを挙上する際にもブリッジを崩さないこと。
おしりを上げたりして、せっかく仕上がっているブリッジのカタチを変えないことが大切です。
3.ラックアウト
バーを持ち上げる、という意識が強いと、せっかく固定した肩甲骨が上下に動いたり、接地面が浮いてしまうので、持ち上げるではなく、肘を横に開くような方向に張ります。グリップは固定されているので実際に横に開くわけではなく意識する力の方向です。
バーをラックからはずすラックアウトは、ブリッジ(橋脚とアーチ)が固定されていれば、肘を張るだけでトップポジションに到達させることができます。
バーをラックからはずすために真上にもちあげる、という意識があると、肩甲骨が抜け、ブリッジが崩れます。ベンチの接地面はぶれないように固定します。
腕の長さにもよりますが、可動域を大きく取らなければ、と思う必要はありません。
バーをラックに戻すときは横を見ず、最後までフォームを崩すことなく、安全に。
いつも一人でトレーニングしていると、ついつい自分のカラダが得意なように動作してしまうため、長い時間をかけてフォームは少しずつ崩れますから、ときどきチェックしてもらうことはとても大切です。
筋肉量、可動域、パワー自体が変化することでもフォームは変化します。
目的は、ただ重さに耐えるのではなく、ターゲットの筋肉を意識し、筋肉に刺激を与えることです。
軌道、ブリッジ、ラックにもどすまでフォームを維持できることが大切で、フォームが崩れない範囲で、できるだけ重いウェイトを扱うのが理想です。
確実にターゲットにヒットする安全なフォームを根気よく探して自分のモノにしていきましょう。