自分では見えない後ろ姿。
前側は鏡でよくチェックしていても、他人様に見られるのは後ろ姿だったりします。
背中、おしり、二の腕…
背面に脂肪がつきすぎると、老けた印象の後ろ姿になりますね。
日頃から意識しづらい背面のトレーニングは、加齢に抗っていくためにも、理想のカラダを手に入れるためにも、必要不可欠です。
そこで今回は、背面に効果的な「デッドリフト」
なんとも恐ろしげなネーミングです…
1.デッドリフトの基本の動き
デッドリフトは、主にカラダの背面の筋肉がターゲットになります。
ハムストリングス、おしり、腰背部、脊柱起立筋群、上腕三頭筋…
背中の筋肉はトレーニング時に見ることができないので意識しづらく、また、フォームをしっかり理解していないと、腕の力ばかり使ってしまいがちです。
背中のトレーニングは肩甲骨の動きを意識するといいですね。
足の位置
足幅は骨盤の幅と同じくらいか、それより少し狭いくらいになるように立ちます。
足幅を狭くするほどハムストリングスへの負荷は強くなります。
立ち位置は、バーベルならスネが当たるくらいに立ちます。
デッドリフトの動作の重心は、バーベル(重り)です。
腸骨前部(さわってわかる骨のでっぱり)に伸びている腸骨筋、そして拇指球がバーベル(重心)の同一線上になるようにスタンバイします。
肩甲骨
動作の準備として、肩甲骨、二の腕が後ろから引っ張られる姿勢をキープする、と意識します。
胸は張り、背中にアーチができた状態になります。
2.デッドリフトのフォームのポイント
胸郭が張り出していて、肩、肩甲骨を腰背部からおしりのライン上に引き込み支えることで、上半身と脊柱が安定します。
これがトップポジションです。
トップポジション、ボトムポジションの動作の重心は、ずっと拇指球とつちふまずの間くらいです。
バーベルが上下にスライドするときは、太ももにずっとあたっています。
太ももから離れることはありません。
太ももから離れて、前に流れてしまう時は肩甲骨がゆるんで、肩でぶらさげています。
こうなると、腰は丸まろうとするので、背面から負荷は抜けてしまいます。
また、トップポジションへの動作で、腰の引き込みと同時に膝が後ろに移動してしまうと、重心がかかとに移ってしまい、腰から負荷が逃げてしまいます。
3.デッドリフトで気をつけるポイント
ボトムポジションへの動作の過程は、バーが床の方に引っ張られるイメージです。
バーベルを下ろす、という意識はもちません。
バーベルの重みで自然に骨盤が前傾していく感じですね。
次は、トップポジションへ。
前に倒した骨盤を引き込みます。
骨盤を立てるときは中途半端に戻すのではなく、一気に引き込みます。
これはケガのリスクを回避するためです。
後方に引いたままの肩甲骨を、腰背部の上に重心軸を作るイメージで一気に起き上がります。
デッドリフトの動作中は、下を向いてはいけません。
「デッドリフト」と検索すると、おしりを突き出すような動画をよく見かけますが、
おしりをうしろに突き出して、上体を前傾させると頭部が下がってしまいます。
頭部が下がる、つまり下を向くということは、頚椎が前に倒れます。
頚椎が前に倒れた瞬間に、脊柱起立筋群は重心の支えを失い、ターゲットマッスルに効かないだけでなく、その一瞬で腰のケガに直結するリスクが高まります。
また、女性に多い反り腰にまかせたキツすぎるアーチは、過伸展になっているだけです。
過伸展による脊柱への負担を軽減するために、腹圧は抜くことなく、ずっと入れておきます。
「デッドリフト」と名付けられるほどに、フォームのミスが大きなケガにつながるメニューです。
正しいフォーム、そして「バーベルを持ち上げる」という意識をなくすこと。
骨盤を前傾させることで、バーベルが上下にスライドする。そのくりかえしです。
デッドリフトに関しては、特に我流のフォームはケガのもと。
正しいフォームを習得するまでは、軽い負荷でも集中して、ていねいに行いましょう。
腰背部の筋肉は、体幹部の安定、特にプレス系のトレーニング時に補助としても使われる部位です。
ベンチプレスの挙上重量が伸び悩んでいる…そんな時にもぜひ強化してみてください。