ラットプルダウンのマシンはトレーニング施設に必ずあり、代表的な背中のトレーニングメニューです。
が、きちんと背中に効果的なフォームを習得するのが難しいメニューですね。
背中は日頃から自覚しにくく、トレーニングも後回しになりがちですが、効果的な背中のトレーニングを身につけて、姿勢を美しく整え、メリハリのあるシルエットをつくりましょう。
ラットプルダウンとは
lat pull downと書きます。
latは背中の筋肉(Latissimus)の略称です。
ラットプルダウンは、背中にある大きな筋肉、広背筋を上下にストレッチします。
座って姿勢を保持し、正しいフォームで行うことで、広背筋や脊柱起立筋群を鍛えることができます。
広背筋について
ヒトの身体で、もっとも面積の大きな筋肉が広背筋です。
広背筋は面積が大きいので、体幹を動かす筋肉のようですが、主に腕(肩関節)を動かす筋肉です。
背中の下からわきの下にかけて広がる筋肉で、腕を後ろに引く、上から下に引くなどの動作がイメージしやすいですね。
ラットプルダウンのフォーム
今回はバーを顔の前に引く方法、フロントネックの説明です。
バーは肩幅より広く、「Y」になるように持ちます。
親指はまわさず、サムレスグリップ(※)で握ります。
親指をまわして握ると握力や腕力で引いてしまいがちです。
(※)サム(親指)レス(なし)なので、親指をまわさない握り方です。
頭上にあるバーを引く動作ですが、
腕の力に頼ってひっぱりおろすのではありません。
握力、腕力に頼るのではなく、肘を下げていくことで肩甲骨を寄せる動作です。
バーにぶらさがった状態から、いきなりバーを引き下ろすと肩や腕の力だけに頼った動きになります。
バーをもったら、肘を曲げる前に、ますば肩をしっかりおろします。
肩ではなく、広背筋で重さをぶら下げる感覚です。
肩を下げたら、バーの下りてくる軌道が、鎖骨あたりを目指すように合わせていくと胸が開き、背中にハリができます。
背中が丸くなると腕や肩の力で引っぱりおろすようなフォームになり、背中には効きません。
肩をおろし、胸を開き、胸を張ることで肩甲骨を寄せることができます。
バーをひっぱり下ろすのではなく、肘をおろすことで肩甲骨を寄せていきます。
バーを目の高さくらいまで引いたら、両肘をゆっくり伸ばして、背中の筋肉をストレッチさせていきます。
身体を後ろに倒し、反動をつけたり、後ろに体重をかけて引っ張りおろすと、広背筋には効果はありません。
シートに座っているので、重心は坐骨です。姿勢保持のためにお腹の力は抜きません。
ラットプルダウンの効果
ラットプルダウンは広背筋の上部に効きます。
この筋肉が発達すると、逆三角形ボディになりますね。
男性は逆三角形の体にしたり、たくましい大きな背中を作るのに効果的。
女性はわきの下あたりから背中にかけてのハミ肉、ムダ肉のないすっきりした背中を作ります。
ラットプルダウンは、チンニング(懸垂)をするような感覚で行うとわかりやすいですね。
女性は「懸垂なんて1回もしたことない」かもしれませんが、筋トレはイメージすることが大切。
シートに座っているけど、バーに胸を合わせていくようにイメージすると、腕の力で引っぱるのではなく、背中を使っているのが、だんだん実感できるようになってくると思います。
引き下ろす動作で、肩が上がってしまうなら扱う重量を少し軽くして、きちんとフォームを身体に叩き込みましょう。
広背筋は自分では見えません。
どう動くのか、どんなカタチなのか、頭でイメージできれば効果的です。
パーソナルトレーニングなら、こまかい関節の角度や目線まで修正してもらうことで、正しいフォームを身につけることができますね。